京都大学農学研究科森林情報学研究室
行動生態学・進化生物学についても学べる研究室
皆さんこんにちは、京都大学北海道研究林の小林和也です。動物行動学会の広報委員長として、学会ウェブサイト上で、様々な大学の研究者にご自身の研究室を中心に、動物の行動学が学べる研究室を紹介していただこうという企画を立ち上げ、さっそく自らの研究室紹介を執筆しているのですが、私の場合はかなりイレギュラーな記事になってしまうことをご了承ください。何がどうイレギュラーかというと、私の所属している森林情報学研究室の専任教員で動物行動学を専門としている研究者は私一人で、他の先生方は植物−土壌間の相互作用系に関する研究が専門の舘野教授、森林資源管理と木材流通・消費システムを専門とする坂野上講師、生物多様性科学を専門とする松岡講師、ヒノキの成長と養分(窒素)との関係を専門とする中西助教、菌類-植物間相互作用を専門とする杉山助教となっている今時珍しい小講座制をとっており、教員数と学生数がほぼ等しい手厚い環境が整っています。更にイレギュラーなことに学生や教授は普段は京都大学北部キャンパスで研究しているのですが、私は普段から北海道東部の標茶町にある京都大学北海道研究林に居ます。そんな訳で私の指導を受ける学生は京都と北海道を行ったり来たりしながら、京都にいる間はZoomやメールでやりとりしながら研究することになり、研究室のゼミでは物質循環や環境DNA、木材流通やヒノキの花粉生産量についての話も聞くことになります。
さて、私個人の興味は割と幅が広く、材料にも現象にもこだわりがなく、面白いと思えばなんにでも手を出しているので、フィールドでの採集や操作実験、遺伝子解析、コンピュータシミュレーションなど様々な手法を使っていますし、対象生物も昆虫、哺乳類、鳥類、魚類、植物、真菌まで広く浅く色んな研究をしています。一応、主な興味の対象は有性生殖とそれに関連して生じる動植物の様々な形質の進化ですが、最近は個体間相互作用ならなんでも良いかなって思っています。特に興味を持っているトピックとして
- 性選択:配偶者獲得のための形質はどのように進化するのか?
- 血縁選択:生き物はどのような条件で協力し、どのような条件で裏切るのか?
- 生物群集における種内変異と進化:種内の個体差が他種にどのような影響を与えるのか?
- 植物の行動生態学:植物は周囲の環境をどのように認識して行動しているのか?
などがあります。もっと詳しく最近の研究について知りたい方は個人サイトの方をご覧ください。もし、大学院でこんなことがやってみたいというイメージがあればお気軽に kobayashi.kazuya.3w@kyoto-u.ac.jp までご相談ください。
また、私が学生だった頃の日常が描かれたWebコミック「AnimEcolなヒトビト。」もアクセスが増えれば作者が続編を書いてくれるかもしれないのでよろしくお願いします(よく誤解されますが、私が描いている訳ではないです)。