日本動物行動学会は1982年に、日高敏隆京都大学理学部教授(当時)を初代会長として設立されました。ノーベル賞を受賞したローレンツやティンバーゲンが発展させたエソロジーの伝統を踏まえつつ、行動生態学、生理学、動物社会学、心理学、遺伝学、進化学、数理生物学など、動物の行動に関するあらゆる分野に開かれた学会です。対象となる「動物」も、虫、鳥、魚や、ヒトを含む哺乳類はもちろんのこと、パソコンにすむ人工生命まで含まれます。学会大会を年1回開催しています。工夫をこらしたポスター発表を中心に、口頭発表、ビデオ発表、ラウンドテーブル、シンポジウムなどで、活発な討論が繰り広げられています。学会誌(英文学術雑誌)として、『Journal of Ethology』を年3回発行しています。この学会誌は2000年からはSpringer-Verlag社から出版されることになりましたが、編集はこれまで通り学会の編集委員会が行ないます。このほか、会員への通信として『Mailnews』を随時発行しています。世界のトップレベルの研究を推進していますが、若い会員が多く、動物の行動に興味のある方なら誰でも楽しめる、格式張らない学会です。


学会誌 Journal of Ethology では
エディターズチョイス論文の紹介ビデオを作っています。

ナレーション:音読さん(ondoku3.com
ナレーション:音読さん(ondoku3.com

News

  • 行動生物学研究会 第48回オンライン講演会

    日本動物行動学会会員の皆様

    行動生物学研究会の西海と申します。
    5月の講演についてご案内差し上げます。
    皆様のご参加をお待ちしております。

    —行動生物学研究会 第48回オンライン講演会—

    日時:2025年5月19日(月)16:00~17:00 
    演者:上川内あづさ(名古屋大学大学院理学研究科・教授)
    「聴覚を介したショウジョウバエと蚊の配偶行動」
    場所:zoomによるオンライン配信(質問可)
    研究交流会:19:30-20:30
    参加費:無料

    講演要旨:
    動物界において配偶行動は普遍的にみられる現象であり、取り巻く環境の中で同種の異性を認識することが最初の段階となる。この同種認識において、多くの場合「聴覚」が重要な役割を果たす。では動物たちは、雑音に満ちた環境の中で、どのようにして同種が発する音を敏感に聞き取るのだろうか?この謎を解くべく、私たちは「ショウジョウバエ」と「蚊」の配偶行動に着目してきた。実験動物として長い歴史を持つ「ショウジョウバエ」は、近年では脳コネクトーム情報が公開され、神経回路レベルの解析が可能となった。一方で同じハエ目昆虫に属する「蚊」は、人類に病気という大災厄をもたらす生き物として、研究の重要性が高まりつつある。実はこれら昆虫種のどちらにおいても、その配偶行動は聴覚に大きく依存している。そこで本講演では、同種が発する音を敏感に検知して配偶行動へと繋げることを可能にする、これら2種類の「ハエ」の聴覚のしくみを紹介する。

    参加方法:登録フォームから登録を行ってください。
    ※一度登録すれば、以後の講演会の案内も届く設定です。

    お問い合わせ先:
    ・参加登録やzoom接続関連
    E-mail : behavioral.biology.official@gmail.com

    ・運営関連
    西海 望 (にしうみ のぞみ)
    行動生物学研究会代表
    〒950-2102 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
    新潟大学 創生学部/大学院自然科学研究科
    Tel: 025-262-7684
    E-mail : nishiumi@create.niigata-u.ac.jp
              : n.oz.o@hotmail.co.jp

    公式サイト

  • 2025年若手研究員海外渡航支援費の募集について

    2025年4月6日
    日本動物行動学会 会長 中田兼介

    【支援目的】
    動物行動学分野で活躍している若手の研究者に対し、海外で開催される国際学会・会議に参加するための渡航費・参加費の一部を助成することで若手研究者の経済的負担の軽減を図る。日本の動物行動学の成果を国際的に周知するとともに、若手研究者の海外での研究者ネットワークづくりを支援することで、将来動物行動学と日本動物行動学会の発展に資する研究者を育成することを目指す。

    【支援対象者】
    日本動物行動学会の会員(海外在住の会員も対象)であり、学会参加時に博士後期課程在学中の院生、もしくは博士号取得者で常勤職(テニュアトラックを含む)に就いていない者とする。特に研究費(競争的資金)が少なく、支援の必要な研究者を優先して支援する。

    【対象となる国際学会】
    対象学会は特に指定しないが、行動学・行動生態学関連のInternational Ethological Congress (Behaviour)、もしくは、International Society for Behavioral Ecology Congress (ISBE)への参加予定者を優先する。また、発表数の多い大規模な大会への参加者を優先する。2025年は、国際学会の会期が2025年4月1日〜11月30日について支援する。なお、2026年は1月までに応募を開始し、国際学会の会期が2026年1月1日〜11月30日の学会参加を支援する予定である。

    【支援金額】
    一人あたり上限30万円(航空券代、宿泊費、学会参加費、ビザの申請費用、海外旅行保険)を支給する。原則として年間2人を支援する。

    【支援者の義務】
    渡航後に、航空券等の半券(もしくは搭乗証明書)と領収書、宿泊・参加費・ビザの申請・海外旅行保険の領収書の写し、学会で発表したことがわかる講演要旨の表紙と渡航者の名前がわかるプログラムページの写しを提出すること。学会終了後に領収書の提出を持って、支援金額を支援者の口座に振り込む(領収書がない場合は支給不可)。また大会記を兼ねた報告書を提出すること。報告書はMailNewsと学会HPで公開する。

    【申込書類(様式自由)】
    履歴書(学歴、職歴、研究歴含む)、参加予定の学会と前回の参加人数(わかれば)、大会HP、開催日時と場所、発表タイトル、日本動物行動学会の会員歴、日本行動学会大会での発表歴(発表者名、発表タイトル、発表日時、ただし、共同発表者による発表の場合は除く)、過去3年間の競争的資金の有無(不採択の申請歴も含む。日本学術振興会への応募歴も含む。)

    【申込〆切】
    2025年5月7日

    【申込先】
    日本動物行動学会事務局あて電子ファイルで申し込んでください。
    office.of.jet[at]gmail.com

    【選考結果】
    運営委員会での選考が終わり次第、結果をメールでお知らせします。

    応募要項PDF版

  • 「未来の学術振興構想」の改訂に向けた「学術の中長期研究戦略」の公募等について

    日本学術会議から以下のお知らせがありましたので転載します。

    日本学術会議 科学者委員会 学術研究振興分科会では、2023年9月に策定した提言「未来の学術振興構想(2023年版)」の改訂に向けた「学術の中長期研究戦略」の公募等を開始いたしました。
    公募期間は、2025年4月1日(火)~10月1日(水)までとなっております。
    公募等の詳細については、下記の日本学術会議HPの公募要領等を御参照ください。

    広く科学者コミュニティからの積極的な応募を期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

    ○日本学術会議
     https://www.scj.go.jp/
    ○提言「未来の学術振興構想(2023年版)」(令和5年(2025年)9月25日日本学術会議)
     https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-25-t353-3.html
    ○公募等について
     https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kenkyukeikaku/26koubo.html
     ※2025年4月24日(木)16時から、公募等説明会(オンライン)を開催予定です。

    (本件に関するお問い合わせ先)
    日本学術会議事務局 審議第二担当(課題別)
    https://forms.office.com/r/WNpFL7WT6F

  • 【NIBB動物行動学研究会】 新年度講演会のご案内と、研究会名の変更のお知らせ

    動物行動学会員の皆様

    NIBB動物行動学研究会の西海です。

    2025年度の講演に関して、ご案内差し上げます。

    今年度は動物行動学分野ではあまり扱われていなかった「植物」や「人」を対象とした研究にも目を向けて、広く行動学を扱っていきたいと思っております。

    この方針のもと、今年度も第一線で活躍されている研究者以下12名の方々にご講演していただきます(講演順、敬称略)。

    前野ウルド浩太郎( 国際農林水産業研究センター 主任研究員)
    上川内あづさ(名古屋大学  大学院理学研究科 教授)
    井原泰雄(東京大学大学院理学系研究科 准教授)
    松浦健二(京都大学大学院農学研究科・教授)
    藤井進也(慶應義塾大学環境情報学部・准教授)
    竹内勇一(北海道大学理学部 准教授)
    向井裕美(森林総合研究所・主任研究員)
    佐竹暁子 (九州大学大学院理学研究院 教授)
    岩田容子(東京大学大気海洋研究所 准教授)
    岡ノ谷一夫(帝京大学 先端総合研究機構 教授)
    稲見昌彦(東京大学 教授)
    阿形清和(基礎生物学研究所 前所長)

    仔細は以下のリンクからご覧くださいませ。https://sites.google.com/view/behavioral-biology/seminar

    また、今年度から研究会名を「行動生物学研究会」という新名称に変更することもお伝えさせていただきます。
    運営代表がNIBB外へ異動すること、そして従来の動物行動学の範疇を越え広く行動学を扱うという趣旨、これらに合わせた改名となります。
    是非皆様、今年度もよろしくお願いいたします。

    行動生物学研究会(前 NIBB動物行動学研究会)代表 西海望

    今月の講演は以下の通りです。

    —第47回オンライン講演会—
    日時:2025年4月14日(月)16:00~17:00 
    演者:前野ウルド浩太郎(国際農林水産業研究センター・主任研究員)
    「サハラ砂漠で生きる昆虫の適応戦略」

    場所:zoomによるオンライン配信(質問可)
    研究交流会:20:00-21:00
    参加費:無料

    参加方法:以下の登録フォームから登録を行ってください。
    https://forms.gle/tYDd4AKFtMgNpFex9
    ※一度登録すれば、以後の講演会の案内も届く設定です。

    講演要旨:灼熱の太陽に乾いた大地、そして乏しい食料。サハラ砂漠は、生物にとって地球上で最も過酷な環境の一つ。しかし、そんな厳しい環境でも多くの昆虫たちが生きている。彼らはどのように困難を克服しているのか。本セミナーでは、サバクトビバッタを中心に、ゴミムシダマシやサハラ銀アリなど昆虫の砂漠環境に対する適応戦略を、行動生態学的な視点から紹介する。

    お問い合わせ先:
    ・参加登録やzoom接続関連
    E-mail : behavioral.biology.official@gmail.com

    ・運営関連
    西海 望 (にしうみ のぞみ)
    行動生物学研究会代表

    〒950-2102 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
    新潟大学 創生学部/大学院自然科学研究科
    Tel: 025-262-7684
    E-mail : nishiumi@create.niigata-u.ac.jp
              : n.oz.o@hotmail.co.jp

    ・公式サイト
    https://sites.google.com/view/behavioral-biology/home

  • 共同研究グループ「フィールドワークとハラスメント」の報告書について

    共同研究グループ「フィールドワークとハラスメント(HiF)」では、フィールドワーカーが安全にフィールドワークを実施できるよう、活動を行っておられます。日本動物行動学会会員の皆様におかれましても、フィールドワークは日常的に行われていることかと思います。以下の報告書はまだ第一報で、選択式の回答比率やそれらの相関関係しか掲載されていませんが、参考になるかと思います。

    「フィールドワークと性暴力・セクシュアルハラスメントに関する実態調査アンケート」の報告書<第一報>