日本動物行動学会は1982年に、日高敏隆京都大学理学部教授(当時)を初代会長として設立されました。ノーベル賞を受賞したローレンツやティンバーゲンが発展させたエソロジーの伝統を踏まえつつ、行動生態学、生理学、動物社会学、心理学、遺伝学、進化学、数理生物学など、動物の行動に関するあらゆる分野に開かれた学会です。対象となる「動物」も、虫、鳥、魚や、ヒトを含む哺乳類はもちろんのこと、パソコンにすむ人工生命まで含まれます。学会大会を年1回開催しています。工夫をこらしたポスター発表を中心に、口頭発表、ビデオ発表、ラウンドテーブル、シンポジウムなどで、活発な討論が繰り広げられています。学会誌(英文学術雑誌)として、『Journal of Ethology』を年3回発行しています。この学会誌は2000年からはSpringer-Verlag社から出版されることになりましたが、編集はこれまで通り学会の編集委員会が行ないます。このほか、会員への通信として『Mailnews』を随時発行しています。世界のトップレベルの研究を推進していますが、若い会員が多く、動物の行動に興味のある方なら誰でも楽しめる、格式張らない学会です。
学会誌 Journal of Ethology では
エディターズチョイス論文の紹介ビデオを作っています。
News
- 行動生物学研究会 第49回オンライン講演会のお知らせ
日本動物行動学会会員の皆様
行動生物学研究会の西海と申します。
6月の講演についてご案内差し上げます。
皆様のご参加をお待ちしております。—行動生物学研究会 第49回オンライン講演会—
日時:2025年6月16日(月)16:00~17:00
演者:井原泰雄(東京大学大学院理学系研究科・准教授)
「適応論的人間観を拡張する」
場所:zoomによるオンライン配信(質問可)
研究交流会:20:00-21:00
参加費:無料講演要旨:
「人間と動物」という対比が示すように、ヒトと他の動物との間にはある種の本質的な違いがあるように感じられてならない。他の動物との比較におけるヒト行動の特殊性は、この直観に大きく寄与していると考えられ、その進化的起源の解明はダーウィン理論に残された課題である。行動進化の生態学的側面として、行動生態学や進化心理学などの分野でヒト行動の適応的デザインに関する研究が行われてきた。また歴史的側面として、考古学や先史人類学の分野で進化史の復元が進められている。ヒト行動の進化的起源を探るうえで、これら二つの側面からのアプローチが重要である。本講演では、人類進化の歴史を三期に分割したうえで、それぞれの時期に主要な役割を果たしたと考えられる表現型進化のメカニズムについて、数理モデルを用いた理論的研究を紹介する。特に、雄による子の世話、連合形成、出生率の低下などを中心に、いくつかの話題に触れる予定である。参加方法:以下の登録フォームから登録を行ってください。
https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fforms.gle%2FtYDd4AKFtMgNpFex9&data=05%7C02%7Cnakatake%40kyoto-wu.ac.jp%7C059cc4be72fe4da334b908dda4c25dda%7C3eda5bb79439444491a353606e78d773%7C0%7C0%7C638847876882260375%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJFbXB0eU1hcGkiOnRydWUsIlYiOiIwLjAuMDAwMCIsIlAiOiJXaW4zMiIsIkFOIjoiTWFpbCIsIldUIjoyfQ%3D%3D%7C0%7C%7C%7C&sdata=AkFlnVmyN56e4EAC4%2B%2BPcZtrioqvpq9GIBEq7f9L61Q%3D&reserved=0
※一度登録すれば、以後の講演会の案内も届く設定です。お問い合わせ先:
・参加登録やzoom接続関連
E-mail : behavioral.biology.official@gmail.com・運営関連
西海 望 (にしうみ のぞみ)
行動生物学研究会代表
〒950-2102 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
新潟大学 創生学部/大学院自然科学研究科
Tel: 025-262-7684
E-mail : nishiumi@create.niigata-u.ac.jp
: n.oz.o@hotmail.co.jp - 第23回 生態学琵琶湖賞授賞式および記念講演開催について
生態学琵琶湖賞は、水環境に関連する生態学およびその周辺分野における50歳未満の優れた研究者に贈られる賞です。滋賀県によって1991年に創設され、第15回より日本生態学会が実施主体となり、このたび
土居秀幸氏が第23回受賞者になりました。以下の日程で受賞式および受賞記念講演(無料)を行いますので、ぜひご参加ください。*第23回生態学琵琶湖賞記念講演チラシは以下のURLからダウンロードできます。
https://esj.ne.jp/esj/award/biwako/23flier.pdf
(詳細は生態学会HP https://esj.ne.jp/esj/award/biwako/23lecture.html
からもご確認いただけます)日時:2025年6月28日(土) 13時半~15時半(13時開場)
会場:滋賀県立琵琶湖博物館ホール
〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091
(交通アクセス:JR琵琶湖線「草津」駅下車。(新快速で京都から約20分)
JR草津駅「西口」2番バス乗り場から、近江鉄道バス、琵琶湖博物館行き(約25分)、「琵琶湖博物館」下車。徒歩すぐ。)
https://www.biwahaku.jp/guide/access.html授賞式 13:30~14:00
受賞記念講演会 14:15~15:30
※受賞式および受賞記念講演参加希望の方は
日本生態学会 琵琶湖賞担当(biwakoprize@esj.ne.jp
)まで、お名前・所属・連絡先メールアドレスをお知らせください。【受賞講演】
受賞者 土居 秀幸 氏
(京都大学大学院情報学研究科生物圏情報学講座・教授)講演タイトル
「湖から生態系の動態を捉える」(要旨)
私は、これまで琵琶湖を含めた様々な湖を実際に調べることや、これまで蓄積されたデータを利用することで、生態学の研究を進めてきました。特に、食物連鎖の構造である食物連鎖長の理論を実証することや、これまでの過去の生物群集の変遷と気候変動などの人為的な影響を捉えることができました。さらに、今後の生態系動態の予測について、最新の情報学の技術を用いた解析を試みています。本講演では、それらの最新研究を含めて、今後、湖を舞台にどのように生態学が展開されていくかについて紹介します。 - 東京経済大学全学共通教育センターの公募について
東京経済大学全学共通教育センターでは生物学を専攻分野とする専任教員を募集しています
詳細情報:https://www.tku.ac.jp/saiyo/saiyo_kyouin_07.html
職名:教授、准教授または専任講師 1名
専門分野:生物学
応募資格:1.博士の学位(Ph.Dも含む)を有する方。2.社会科学系の学部学生を対象に、生物学の観点から自然科学的なものの見方や考え方を教育できる方。加えてエコロジーと社会の関わりについて、幅広い視野に立った教育が可能な方。3.「生命の科学」などの講義科目に加えて、通年の「総合教育演習」や半期の「教養ゼミ」「総合教育ワークショップ」などの演習(ゼミ)・ワークショップ科目も担当可能な方。
応募締切:2025年7月31日(JREC-INを通じたWEB応募)
お問合せ:gakumu■s.tku.ac.jp(■を@に変更)(東京経済大学学務課) - 動物行動の統計・数理モデルと定量的人間科学
動物行動学会 会員の皆さま
研究集会「動物行動の統計・数理モデルと定量的人間科学」を8月9日-10日に統計数理研究所(東京都立川市)にて行います。口頭による話題提供では、以下のような(仮)演題を予定しています。集会の名の通り、人間科学と動物学をあえて混ぜた研究会です。
8月9日(土)(お盆休み初日)
10:00 – 10:20 前座 島谷健一郎(統数研)
10:20 – 11:50「カラスが “賢い” のは本当か?:強化学習モデルのパラメータ推定を通じた鳥類の多種間比較」松井大(大阪大人間科学)
12:30 - 14:00「社会的ジレンマ状況における罰や報酬による意思決定の変容の数理モデル」水野景子(東北大)
14:20 – 15:50「メダカの行動特性に着目した毒性影響評価試験~統数研セミナーでの対話を経て~」高井優生(九州大水産生物環境)
16:10 – 17:40「ヒトの表情を記述する」難波修史(広島大人間社会)8月10日(日)
10:00 – 10:20 2日目の前座 島谷健一郎(統数研)
10:20 – 11:50「機械学習と定量的人間科学」阪上雅昭(関西学院大理)
12:30 - 14:00「感性の個別性と共通性ーガウス過程事後分布集合の主成分分析による検討ー」小森政嗣(大阪電通大)
14:20 – 15:50「おぼえられれば解決?:マルハナバチの花えらびにおける速度と精度のトレードオフに個体の学習が及ぼす影響」竹内希海(筑波大生物)
15:50 – 検討中(もう1-2件、加わるかも)動物について考察していると、自然と人間に関する考察もしてしまいがちです。一方、動物行動や心理の安易な擬人化は慎むべきという主張があります。今まで、統数研で何回か動物行動に関する研究集会を開催してきました。その中で、3回ほどヒトに関する話題が出ました。会場にいるのは虫や魚や鳥…の行動に夢中になっている人たちのはずが、不思議とヒトに関する話題は会場に溶け込み、質疑や議論で盛り上がりました。動物行動と人間科学は相性がいい。こう確信し、今回は両者まぜこぜの研究集会を企画することにしました。
参加者の有する知識が多様(ばらばら)と予想されるので、初等的質問にも答えられるよう1件を長めの時間枠に設定しています。質疑が頻繁に入り、話題提供者より会場からの発言の方が多いような場をイメージしています。
同じ会場でポスターも掲示し、口頭発表の合間や終了後にポスター議論も行います。毎回新しい学生さんが加わり、初参加でも普通に質疑に参加し、ポスターを前に議論を積んでいます。ポスター掲示する大学院生には旅費を支援したいので、以下に入力をお願いします。なお、予算が足りなくなる可能性もあり、希望が叶えられない事態も覚悟しておいてください。
近距離の方、ご自身の予算で参加の方も、(お盆休み固有の注意を含む)諸連絡がありますので、なるべくご入力の上、ご参加ください。
連絡先:島谷健一郎(統計数理研究所)ikshimatani@gmail.com 050-5533-8590(自室直通)
会場へのアクセスは以下を参照してください。https://www.ism.ac.jp/access/index_j.html
- 行動生物学研究会 第48回オンライン講演会
日本動物行動学会会員の皆様
行動生物学研究会の西海と申します。
5月の講演についてご案内差し上げます。
皆様のご参加をお待ちしております。—行動生物学研究会 第48回オンライン講演会—
日時:2025年5月19日(月)16:00~17:00
演者:上川内あづさ(名古屋大学大学院理学研究科・教授)
「聴覚を介したショウジョウバエと蚊の配偶行動」
場所:zoomによるオンライン配信(質問可)
研究交流会:19:30-20:30
参加費:無料講演要旨:
動物界において配偶行動は普遍的にみられる現象であり、取り巻く環境の中で同種の異性を認識することが最初の段階となる。この同種認識において、多くの場合「聴覚」が重要な役割を果たす。では動物たちは、雑音に満ちた環境の中で、どのようにして同種が発する音を敏感に聞き取るのだろうか?この謎を解くべく、私たちは「ショウジョウバエ」と「蚊」の配偶行動に着目してきた。実験動物として長い歴史を持つ「ショウジョウバエ」は、近年では脳コネクトーム情報が公開され、神経回路レベルの解析が可能となった。一方で同じハエ目昆虫に属する「蚊」は、人類に病気という大災厄をもたらす生き物として、研究の重要性が高まりつつある。実はこれら昆虫種のどちらにおいても、その配偶行動は聴覚に大きく依存している。そこで本講演では、同種が発する音を敏感に検知して配偶行動へと繋げることを可能にする、これら2種類の「ハエ」の聴覚のしくみを紹介する。参加方法:登録フォームから登録を行ってください。
※一度登録すれば、以後の講演会の案内も届く設定です。お問い合わせ先:
・参加登録やzoom接続関連
E-mail : behavioral.biology.official@gmail.com・運営関連
西海 望 (にしうみ のぞみ)
行動生物学研究会代表
〒950-2102 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
新潟大学 創生学部/大学院自然科学研究科
Tel: 025-262-7684
E-mail : nishiumi@create.niigata-u.ac.jp
: n.oz.o@hotmail.co.jp
- 行動生物学研究会 第49回オンライン講演会のお知らせ
- 第23回 生態学琵琶湖賞授賞式および記念講演開催について
- 東京経済大学全学共通教育センターの公募について
- 動物行動の統計・数理モデルと定量的人間科学
- 行動生物学研究会 第48回オンライン講演会