日本動物行動学会は1982年に、日高敏隆京都大学理学部教授(当時)を初代会長として設立されました。ノーベル賞を受賞したローレンツやティンバーゲンが発展させたエソロジーの伝統を踏まえつつ、行動生態学、生理学、動物社会学、心理学、遺伝学、進化学、数理生物学など、動物の行動に関するあらゆる分野に開かれた学会です。対象となる「動物」も、虫、鳥、魚や、ヒトを含む哺乳類はもちろんのこと、パソコンにすむ人工生命まで含まれます。学会大会を年1回開催しています。工夫をこらしたポスター発表を中心に、口頭発表、ビデオ発表、ラウンドテーブル、シンポジウムなどで、活発な討論が繰り広げられています。学会誌(英文学術雑誌)として、『Journal of Ethology』を年3回発行しています。この学会誌は2000年からはSpringer-Verlag社から出版されることになりましたが、編集はこれまで通り学会の編集委員会が行ないます。このほか、会員への通信として『Mailnews』を随時発行しています。世界のトップレベルの研究を推進していますが、若い会員が多く、動物の行動に興味のある方なら誰でも楽しめる、格式張らない学会です。
学会誌 Journal of Ethology では
エディターズチョイス論文の紹介ビデオを作っています。
News
- NIBB動物行動学研究会 第44回ハイブリッド講演会
日本動物行動学会会員の皆様
基礎生物学研究所(NIBB)の西海と申します。
新年1月の講演についてご案内差し上げます。
今回は現地およびオンラインのハイブリッド形式となります。
皆様のご参加をお待ちしております。—NIBB動物行動学研究会 第44回ハイブリッド講演会—
演題:「兵隊アブラムシによる社会行動〜分子メカニズムとその進化」
演者:沓掛磨也子 (産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門・副研究部門)
日時:2025年1月17日(金)16:00~17:00
会場:基礎生物学研究所明大寺地区111室(愛知県岡崎市明大寺西郷中38)およびオンライン
研究交流会:18:00-20:00
講演会参加費:無料講演要旨:
兵隊アブラムシという存在をご存知だろうか?アブラムシの一部には、ハチやアリと同様、社会性を持つ種が存在する。兵隊は、自分の繁殖や生存を犠牲にしてコロニー防衛を担う個体である。その名の通り、外敵に対して激しく攻撃して仲間を守るほか、一部の種においては、巣の清掃や修復といった労働にも従事する。弱くておとなしいというアブラムシの一般的イメージからは想像もできないほど、アクティブな利他行動を示す。私はこれまで20年以上にわたり、この社会性アブラムシを対象として、兵隊の社会行動や階級分化に関する研究を行ってきた。本講演では、これらの興味深い社会行動の基盤となる分子メカニズムやその進化に関する知見について紹介する。また、社会性アブラムシが宿主植物上に形成する虫こぶに着目した最近の研究についても、合わせて紹介する。参加方法:以下の研究会ウェブサイトから登録を行ってください。
https://sites.google.com/view/nibb-ethology/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A?authuser=0※オンライン参加については、これまでの回で既にご登録くださった方は登録は不要です。
問い合わせ先:
西海 望 (にしうみ のぞみ)
基礎生物学研究所 動物行動学研究会
〒444-8787 愛知県岡崎市明大寺町字東山5-1
Tel: 0564-59-5878
E-mail : nozo@nibb.ac.jp - 国立大学法人香川大学農学部 助教(環境生態機能学領域/昆虫学分野)の公募について
香川大学農学部では,生物資源の生産と利用に関する諸領域について,基礎知識と技能を身につけるとともに,各専門分野の修学コースに分属することでより深い学習を実現しています。本学部では、環境生態機能学領域の充実を図るため、昆虫学分野を専門とする教員を募集します。
1.採用予定日:令和7年4月1日以降でなるべく早い時期
2.採用予定人員:1人
3.職務内容
香川大学農学部応用生物科学科に所属し, 教育・研究に従事していただきます。
以下のような応募条件を満たす方を募集します。1)昆虫類を研究対象とし,その生態や行動のメカニズムや意義の解明を通じて,害虫や外来昆虫の防除,生物多様性の保全などの応用的研究や,昆虫類の基礎的研究の発展に寄与することができる人。
2)学部および大学院で,農業昆虫学,生態学関連分野の講義と学生実験・実習を分担できるとともに,課題研究(卒業論文)の指導ができる人。また,全学共通科目の生物学関連分野の講義等を分担できる素養がある人。
3)東南アジアを中心とした海外交流拠点等との国際教育・共同研究の実績があるか,あるいは参加する意欲のある人。4.受付期間:令和7年12月25日 ~ 令和7年1月31日
5.申込手続
こちらのURLを参照してください6.問合せ先
香川大学
農学部
仁尾 善久
0878913008
shomu-a@kagawa-u.ac.jp - オンラインワークショップのお知らせ
文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト
オンラインワークショップ2024
「データ駆動型研究に有用なバイオリソース」文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)事業は、2002年に開始し2024年4月に23年目を迎えました。本ワークショップでは、バイオリソースのさらなる利活用の促進に向け、2022-2023年度に採択されたゲノム情報等整備の課題の成果をご紹介いたします。ゲノム情報等整備では、各リソースの付加価値を高めるための有用な情報の解析等を行なっています。このオンラインワークショップでは、5つのリソースについて、担当者から、最新の成果について発表いたします。
日時:2024 年 12月 20日(金) 13 時 30 分〜16 時 00 分予定
開催方法:オンライン
内容:NBRPのバイオリソースについて、付加価値を高めるための有用な情報の解析結果等をご紹介
講演者:佐藤 豊(国立遺伝学研究所)、杉本 貢一(筑波大学)、東濃 篤徳(京都大学ヒト行動進化研究センター)
、井川武(広島大学両生類研究センター)、安齋 賢(岡山大学理学部附属臨海実験所)
参加費:無料(要事前参加登録)
お申し込みと詳細:https://www.bioresource.jp/events/nbrp2024【お問い合わせ】
〒411-8540 静岡県三島市谷田1111
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)広報室
Email: nbrp-pr[at]nig.ac.jp ※[at]を@としてください - 国際シンポジウムのお知らせ
「社会脳」:Dr. Larry J. Young メモリアル国際シンポジウム
エモリー大学のラリー・J・ヤング博士が、2024 年 3 月に滞在先のつくば市にて逝去されました。ヤング博士は世界的に活躍された著名な科学者であり、博士の突然の逝去に、多くの関連研究者は深い悲しみに包まれています。ヤング博士の研究は、基礎行動科学や神経科学、生物科学、そして臨床精神医学や婦人科学の研究者たちによって世界的に認められてきました。特に、プレーリーハタネズミのペア形成における分子脳内メカニズムに関する進化的視点からの研究は、げっ歯類のみならず、ヒトを含む様々な生物種における社会行動の脳内オキシトシン作動性システムの解明という新たな研究分野への扉を開き、社会神経科学における金字塔ともいえる成果です。本国際シンポジウムでは、ヤング博士の卓越した業績を紹介するとともに、博士の遺志を継いで社会行動の理解に向けた研究活動をどのように推進していくべきかについて、各国のスピーカーが議論いたします。プログラム(予定)では、特別講演、トークセッション、若手研究者によるデータブリッツセッションなどを予定しています。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
日程:2025 年 3 月 25 日(火)、26 日(水)
場所:つくば国際会議場、ホール 300
特設サイト参加登録は以下のリンクからご記入ください。
https://forms.gle/5LJuB8z2Na9EewFT7
事前登録(A タイプ)
登録:2024 年 12 月 15 日まで
参加者の夕食会に予約参加できます。宿泊施設として JAL City Hotel (シングルルーム)を手配いたします。海外からの参加者のための VISA サポートをいたします。
事前登録(タイプ B)
登録:2025 年 1 月 15 日まで
参加者の夕食会に予約参加できます。 - 2025年度の動物行動学会大会について
日程は11/22-24の三連休、場所は、函館市民会館及び函館アリーナ(http://www.zaidan-hakodate.com/kaikan/、https://www.zaidan-hakodate.com/arena/index.html)での開催を予定しています。
生態学会が開催される札幌に比べると何もない函館ですが、大会会場は湯の川温泉街近くにありますので、夜は温泉も楽しみながらご参加いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
和田 哲
- NIBB動物行動学研究会 第44回ハイブリッド講演会
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